アイアン・スカイ

これは、割と手放しで面白かったです。
ただ、主人公に感情移入してみるような作品ではないので、そういう楽しみ方は出来ません。
どちらかと言うと、色々風刺しているところパロディのところを楽しむような作品です。
風刺もパロディも満載すぎるので、正直私の知識では見落としがあるんじゃないかと思っています。


まず、共和党サラ・ペイリンから訴えられても仕方ないレベルの、彼らに対する風刺がひどい。まあ、これは、単に共和党サラ・ペイリンが与党/大統領と言う設定にしているために目立っているだけで、アメリカそのものに対する風刺であって、彼らを特におとしめたいと言うことではないかもしれません.(そうかもしれません)


パロディに関しては、一つ分り易く面白かったのが、ヒトラー最後の12日間のヒトラー激怒シーンのやつですね。個人的には、シュタイナーの語も出して欲しかった。


あと、「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」のオマージュも多かったですね。
黒人宇宙飛行士が車いす上で敬礼させられるシーンや最後の核戦争シーンとか。
あと、最後の方の各国代表が殴り合いするシーンも、博士の異常な愛情でカットされた「パイ投げシーン」のオマージュでしょうね。


ひとつ気になる点をあげると、主人公女性のベイビーフェイス化(悪を反省し善になる)が安直すぎる点ですかねぇ。勿論、主人公女性/男性がキスして終わりというのは、この手の映画としては妥当だと思いますし、主人公女性がベイビーフェイス化するのも大変良いと思うのですが、どうも手順が安直です。映画見て地球人の若者見てというのはねえ。まあ、主人公女性は他の同胞に比べて、平和を愛している感じで演出されていたので、納得出来なくもないのですが。


全般的に、人を選ぶかもしれませんが、上記の博士の異常な愛情が楽しめた人なら、きっと楽しめる作品です。


あと、地味に面白かったのは、北朝鮮の発言とノルウェーの挙手シーンかな。