トータル・リコール

いやあ、この世界観は好きですね。
United Federation of Britain と The Colony が、地球を貫通する
"The Fall" とよばれるエレベーターで結ばれる!
いいですねえ。エレベーターはどんな技術で出来てるんだよとか思いますけど、
それはそれとして、こういう世界観好きですよ。天国と地獄。


正直な話、22年前の映画である、1990年版トータルリコールを超えたかと言われると、
超えなかったなあ、と言うのが印象なのですが、それでも個人的には好きですね。


工場作業員としての主人公の記憶によれば、事故によって出来た手の傷の話と、
シンセティクスを作る時の手の動きとかが、
終盤まで出てくるあたりはいいですよねえ。


ただまあ、僕も、1990年版トータルリコールを見ていた為に楽しめた部分も有ります。
特に、お前はまだ夢を見ているのだと言われるシーンは、
1990年版を見てると面白いのですが、そうでないと、
「主人公は女の涙に弱いの?」と言う感想をもたれても、
仕方ないよなあと思ってしまいますね。


まあ、あと、本作は、結局夢を見ていたのか現実だったのか
分らないと言うのがキーポイントだっとおもうのですが、
その「どちらでもいける」というのはもうちょっとクッキリ
演出して良かったんじゃないかなと思います。
具体的には、主人公がリコール社で記憶を植え付けられるシーンに関しては、
主人公が目をつぶるシーンをしっかり見せるとか、物語ラストでは
リコール社の看板を見せるだけにせず、リコール社のCM等
(我々の夢は現実と区別出来ませんみたいなセールストークあり)を見せるとか。


基本的には、90年版を既に見て、気に入っている人には、お勧め出来ます。
そうでない人には、悪くはないと思いますが、ひょっとすると人を選ぶかもしれませんね。


ああ、あと、奥さんはもうちょっと、年齢いってる女優使った方が良かったんじゃないですかね。
その方が鬼嫁から逃げてる感出るので。あれなら、奥さんと逃避行でも良いかもと思ってしまいます。

おおかみこどもの雨と雪

細田守監督の作品は、時をかける少女こそ見たものの、サマーウォーズは見てないです。
本作自体は、かなりお勧め出来ますが、時をかける少女程には面白くなかったかなと、
思っております。
基本的には、なかなかよく出来ているとは思うのですが、時かけは、
いわゆるジェットコースタームービー的な面白さがあり、
私は個人的にその手のジェットコースタームービーが好きなので、時かけの方が好きです。


基本的には、話の主題は2つあると思っていて、
主人公花の成長と雪の成長が、それにあたると思います。
雨君に関しては、全般的にかわいらしくて良いとは思うのですが、
あまり、こう、フォーカスされていなかったかなあと思うのですね。
母と娘に比べると、雨君はストーリーの節々に出てくるけど、まとまった時間をとってもらえてないような。


あと、娘の成長、即ちオオカミであることの告白は、
割と素直に受け止められたのですが、
花が雨を手放す、即ち子離れするのは
ちょっと唐突な気がするんですよね。
これは、脚本と言うより、演出の問題かもしれません。


まあ、花のキャラクターについては、
なかなか、共感する人もいれば、これは無いだろうと思う方も居ると
思うのですが、その辺が鼻につかなければ、
最後までそれなりに楽しめるとは思います。
私は、最後に森で迷子というのが気になりましたが、おおむね楽しめました。


ただまあ、花も無駄に苦労してるばかりで、
もうちょっと、他人に頼ってもよいとは思うのですが、
その辺はなかなか難しいのですかねえ。


あと、映画見始めてから気づいたのですが、
これは、ケモナーの人は大喜びだったんじゃないですかね?

スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン

正直、荒牧伸志監督の作品で、手放しで面白いと思ったのは無いんですよね。
でも、アップルシードシリーズは、原作が好きだったので見てしまいましたし、
今回も、スターシップ・トゥルーパーズが好きなので、見てしまいました。


まあ、こう、DVDとかで2回目見るくらいには嫌いじゃないですが、
3回目以降見たいとは思わないだろうなと言う感じです。


もうちょっと作品を語ると、カール・ジェンキンス超能力戦略担当大臣
が、それなりにキーパーソンなんだけど、この人が最初に適切に忠告してれば、
以後の展開が割とマシになるのですよねえ。
その辺、適切な忠告をせずに、一人で繰り言を行ってるだけなので、
後々、他のメンバーが危険に晒されているのです。
この辺は、ジェンキンスを序盤に事故等で人事不省にさせておいて、
途中から復活するという方が、物語に整合性があると思うのですがねえ。


こういう作品で、プロフェッショナルである軍人達が、
あまりにも愚かに「見える」行動をとると、
その後に起きる事件/事故が自業自得に見えてしまって、
残念なのですよねえ。
いっそのこと、スターシップトゥルーパーズ2 ヒーロオブザフェデレーション
スターシップトゥルーパーズ3 マローダー
みたいに、蟲側スパイが皆を危険に陥れる方が、良かったかもとは思います。


また、画面作りの話ですが、
宇宙船内はもうちょっと明るい色で統一して、
パワードスーツ/蟲と背景たる宇宙船の
区別が分り易くしてもらえると有難かったです。
まあ、この辺はシリーズの原作3作との整合性もあるので、難しいのかもしれませんが。


あとは、余談な感想ですが、
カール・ジェンキンスと、リコに比べて、
カルメンはなんか出世してなさそうに見えますねえ。
まあ、別にいいですけどね。


あと、出来たらCMみたいなやつやって欲しかったですかね。
あの、Would you like to know more? が出るヤツ。
まあ、この台詞自体は出てたので、それは良かったのですが。


でもでも、アップルシード2作よりは、こちらの方が好きかもしれません。

ダークナイト ライジング

ノーラン監督のバットマンシリーズ最終作な訳ですが、
まあ綺麗にまとめたなと思いました。
特に、一本の作品としてもまとまってますし、シリーズ最終作としてもまとまっております。


ただまあ、キャラクター的には
ベインのイメージがわかなかったと言うか、
物語の終盤まで、よく分からなかったですね。
単なるアナキストみたいに見えて、
バットマンと戦うべきヴィランとして相応しくないように思えました。


ただ、バットマンは基本的にはゴッサム市民を、ゴッサム・シティーを
守ると言うことに非常に強い目的意識を持っているので、
そういう意味では、ベインはヴィランたる資格が有るようにも思うのですが、
どうも、キャラクターが弱いと言うか、
もうちょっと、カリスマ性/知性/肉体的強さが同居していることの奇妙さを
強調した演出を早い段階でしておいたほうが良かったと思うのですよねえ。


物語終盤でバットマンは再度、完全に引退し、
恐らく幸せなプライベートをつかみ、
ロビンが以後ゴッサムバットマンに代わって守るという
描写が成されますが、この辺は割と上手くまとまってて
良かったと思います。


あと、真の悪役が出てくるあたりも、
意外でしたし、全般的に良かったと思うのですが、
どうも前作が出色の出来だったので、
ついつい比較してしまうのか、
手放しで褒められないのですよねえ。


あ、キャットウーマンは可愛かったですよ。
ネコミミもノーランバットマンの世界観に
合ってましたし。

メン・イン・ブラック3

まあまあ、シリーズ物3作目としては結構頑張ったんじゃないでしょうか。
特に、2作目と違って、主人公2人組の関係性をさらに掘り下げたということでは、
評価したいなあと思います。


本シリーズの世界観では、人間型エイリアンがごろごろ地球に居て、
そのなかに悪役も居るわけですが、この本作の倒すべき悪役については、
一番最初から出てきて、世界観の簡単な説明にも寄与しています。


また、本作はタイムスリップ物でもあるのですが、
タイムスリップ自体を、単に行って帰ってくるだけの
小道具にしてないので、その辺は上手く使ったなあと
思っております。
#アポロ宇宙船発射台の戦闘のことです。


さらに、シリーズ第一作目では、頻出した
「世界の裏側(MIB側)はこうなっていた」というのが、
過去の世界を舞台にして、多く登場したので、
そのへんもそれなりに面白かったです。
アンディ・ウォホールのあたりとか。


また、過去の世界では黒人差別が激しかった訳ですが、
その辺も(ギャグテイストで)扱っており、
中々楽しめました。


気になるところとしては、
トミー・リー・ジョーンズの出番が(思った通り)少なかったことと、
シリーズを通して最後にあるシーン「世界の裏側ではこうなっていた」
が、今回はSF設定的に気に入らなかったという点です。
チップを払うことが回り回って隕石衝突を避けるってのは、もう少し説明が必要なんじゃないですかね。


まあ、なんだかんだでシリーズ第2作よりは楽しめたかなあと思います。
今回は前の2作のどちらよりも、ヒロイン相当の役柄が蚊帳の外感強いのですが、
それでも、十分エンターテイメント作品として成立してましたね。

バトルシップ

いやあ、これは面白かったですね。


映画を一通り見てからまず印象に残ったのは、浅野忠信の扱いの良さ。
まあ、パールハーバーが舞台の映画ですからね。
日本人を悪役にしないなら、それなりに良い役に割り当てるのは
商業的にも自然な話では有るのですが。


また、バトルシップってもともとボードゲーム(というかテーブルゲーム?)な訳ですが、
それを映画化したものだと聞いて、どうやって映像化するんだと思いましたが、
思ったよりしっかり映像化出来てましたね。


基本的には、主人公2名がエイリアンをやっつけるというのがストーリーの基本的な目的なのですが、
ヒロインの方もしっかりと目的と行動する場が与えられていて、
典型的な、「男性主人公を食わない程度に活躍するヒロイン」となっています。


最初に戦艦ミズーリ上で、記念式典が有るのですが、
その時点で、最後の一山までの伏線が貼られていますし、
脚本は結構練られている方だと思います。


気になる点を上げると、
宇宙人の目的が侵略だと言うことの表現が分りづらかったのと、
宇宙への通信が妙なビームとして表現していることのSF考証が気に入らないと言うことでしょうか。


ただ、大筋で、「主人公がピンチに追いつめられつつも、その中から成長し、
彼女もゲットしてハッピーエンド」という典型的なパターンを
凄く素直に、マジメに作ったと言うところで、ハズレではないです。


個人的には、急激な丁字戦法のあたりや、パンジャンドラムみたいなやつ
がお気に入りでした。

映画に関して雑記

ミッションインポッシブル・ゴーストプロトコルは劇場で見ようかなとおもっていたんだが、
結局見てない。DVDで見なければ。
ムカデ人間も見逃しているのだが、あれはDVDでも見なくていいや。
世界侵略: ロサンゼルス決戦も見逃したが、これもDVDで見なくていいや。


近々、公開の映画の中では、バトルシップは期待している。
これは忘れずに見ておきたい。